琵琶湖の害魚として名高いブラックバスを燻製にしてみました。臭みはあるものの身は淡泊で美味しいと評判があり、フライなどにして提供している店もあると聞きます。今回燻製屋の意地にかけ、なんとか美味しく燻煙してみます。 駆除対象魚のバスに新しい利用方法の可能性に期待してみましょう。
バスの産卵期である6月、琵琶湖の湖岸の浅瀬に寄ってくるバスを5匹手に入れました。あまり大きすぎず40cmほどの大きさのそれを用います。ただ、産卵期ですので脂の乗りが今ひとつかも・・・
肉厚のあるバス。知り合いの水産試験場の方から譲って頂きました。琵琶湖の定置網でとれた物です。
捕獲した当日新鮮なうちに三枚におろします。丸ごと1匹姿のままで燻製にすることもできますが、皮と身の間に臭みがあるため、このような形にしました。
下味を付けるピックル液を作ります。20%の塩水に砂糖・セロリ・パセリ・タイム・タマネギを入れ、煮詰めます。
切り身をこの液の中へ浸します。
冷蔵庫へ入れて12時間
プレイン・バジル・ブラックペパーの3種類の味を作ります。バジルやペパーで臭みが消えることに期待。そして乾燥させます。
温燻法で煙を約2時間かけます。
こんな感じで燻しあがりました。手前がプレイン、中央がブラックペパー、奥がバジル味です。
フライにするとほくほくとした白身で美味しそうですが、燻製にすると水分を飛ばすためやや、堅くなります。秋刀魚のように脂が乗っていればジューシーな仕上がりになるのですが、産卵期とあって脂分が少なく、柔らかさはありません。
冷燻法でスモークサーモンのように柔らかく仕上げることも可能ですが、その場合、サーモンのように生食可能な食材に限られます。バスの身がそれに適するか不安なので、どうしても熱を加える方法を選ばざるを得ません。
心配していた臭みについては、香辛料等を用いたおかげで、全く感じませんでした。
製造コストの検討や柔らかい食感の確保、また脂分の旨味をどう演出するかなど課題はありますが、バス→食材 への道に可能性を感じた今回の試作でした。
食材の捕獲・提供では多くの方にご協力を頂きありがとうございました。